Nikon 新機種情報。静かすぎた2026年前半。2026年後半からの新製品特集

Nikon 新機種情報。静かすぎた2026年前半。2026年後半からの新製品特集

ニコンの2026年、実は「新型ボディ ゼロ」でした

こんにちは。カメラの最新情報を追いかけていると、ときどき「あれ、今年やけに静かだな」と感じるメーカーがあります。2026年のニコンが、まさにそれでした。

数字で見ると、その静けさははっきりします。2026年に入ってからニコンが正式発表した交換レンズは、2月24日発表の「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」と、1月に海外発表・1月30日に国内発売された「NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1」の2本だけ。加えて「NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR S」の開発発表があった程度です。そして新型カメラボディに至っては、8月時点で1台も出ていません。

海外のニコン情報サイト「Nikon Rumors」も、7月31日に公開した最新のロードマップ記事で「2026 will be a very slow year for Nikon(2026年はニコンにとって非常に低調な年になりそうだ)」とはっきり書いています。デジカメinfoもこれを受けて、噂どおりに製品が出れば「後半でかなり巻き返せそう」と評しました。

つまり、ここからが本番なんです。


【まず結論】今後1年で噂されている新型ニコン、一覧表

先に全体像をつかんでおきましょう。Nikon Rumorsが整理した「今後登場が噂されるニコン製品」を、時系列でまとめたのが以下の表です。

時期(噂)製品内容・特徴確度
2026年9月APS-C(DX)ハイエンド機最上位DXモデル。45MP積層型センサー説と「RED技術入りのミニZR」説の2系統。名称候補はZ90/Z80/Z30II/Z500中(具体的な噂が複数)
2026年9月11-14日NIKKOR Z シネマレンズNABで予告されたレンズをIBC 2026(アムステルダム)で発表見込み
2026年後半NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR S開発発表済み。年内投入は未確定
2026年10-12月EVFレス フルサイズ ミラーレスZR似のミニマルデザインだがスチル向け。Z5IIベース
時期未定廉価な14-24mm/14mm級 広角レンズ24-105mmの相方。14-24mm f/2.8 Sの後継ではない
時期未定16-35mm級 Vlog向けレンズ動画ユーザー向けの設計
時期未定NIKKOR Z 85mm f/1.435mm/50mm f/1.4と揃えるライン完成レンズ。2026年内は難しい可能性
時期未定1インチ レンズ固定式コンパクト「幻のDLシリーズ」復活説
2027年3月フルサイズ レンズ固定式コンパクトスタイリッシュ・高価・多色展開・スリム・EVFなし低〜中
2027年Nikon Z9IIREDとの大幅な統合。フラッグシップ更新

※すべて噂ベースであり、時期・仕様は変更される可能性があります。Nikon Rumors自身も「遅延は必ず起きると賭けてもいい」と書いています。


注目その1:9月のAPS-Cハイエンド機、正体は「2説」ある

いま一番熱いのが、2026年9月に噂されるAPS-C機です。

面白いのは、この1台についてまったく方向性の違う2つの噂が並走していることです。

ひとつは「スチル向けの高性能DXフラッグシップ」説。45MPの積層型(スタック)センサーを搭載した、いわば”小さなZ9″というもの。ニコンはAPS-Cフラッグシップだった一眼レフ「D500」を2022年初頭に旧製品としており、以来この座は空席のままです。野鳥やスポーツを撮る方が「D500の後継はまだか」と待ち続けてきた、あの穴を埋める1台になる可能性があります。

もうひとつは「RED技術を積んだ、ミニZR」説。REDのシネマカメラ「KOMODO」はSuper 35mmセンサーを採用していて、これはAPS-Cにかなり近いサイズです。つまり、ZRのAPS-C版=より小型で安価なシネマカメラという読み方もできるわけです。

なお、45MP積層型という数字については海外フォーラムで懐疑的な声も少なくありません。ニコンはD500世代から長らく20MP級のAPS-Cセンサーを使ってきた経緯があり、「回折や高感度ノイズを考えると30-33MP程度が現実的では」という意見も出ています。名称もZ90、Z80、Z30II、Z500と候補が乱立していて、確定情報はありません。

ちなみに、現行のZ30が発表されたのは2022年6月29日。すでに4年が経過しており、世代交代のタイミングとしては確かに自然です。


注目その2:「ファインダーのないフルサイズ」というニコンの新しい賭け

2026年10-12月に噂されているのが、EVF(電子ビューファインダー)を持たないフルサイズミラーレスです。

ポイントは、これが動画機ではなく写真機だという点。ZRに似たミニマルなデザインでありながら、ベースはZ5II。2月に出た関連の噂では「厚さ22〜25mm」という数字まで挙がりましたが、Zマウントのフランジバックが16mmであることを考えると、この薄さはさすがに疑問符がつきます。読者コメント欄でも同様の指摘が多数出ていました。

とはいえ、この方向性自体は時代に合っています。SIGMA BF(2025年4月発売、385,000円)やPanasonic S9のように、EVFを外してデザイン性と携帯性に振り切った”ミニマル・フルサイズ”は、ここ数年で確実に市場を作りました。ニコンが参入するのは、むしろ遅いくらいかもしれません。

一方で懸念もあります。Z5IIからEVFを取り除いてもコストはさほど下がらない、という指摘は以前からありました。だとすると価格をどう設定するのか。安くすれば利益が出ず、高くすればZ5IIとぶつかる。この綱渡りをどう解くかが、この製品の成否を分けそうです。


注目その3:2027年3月、「高価でおしゃれなフルサイズコンパクト」

そして2027年3月に噂されているのが、レンズ交換のできないフルサイズコンパクトです。特徴として挙がっているのは「スタイリッシュ」「高価」「カラーバリエーション豊富」「スリム」「ファインダーなし」。

この単語の並びを見ると、狙いはかなりはっきりしています。利益率です。

さらにNikon Rumorsは、1インチセンサーを積んだレンズ固定式コンパクトの噂にも触れています。同サイトは7月4日の記事で「ニコンは中止されたDLコンパクトを復活させるのか?」というタイトルまで掲げました。

ここで、少し歴史の話をさせてください。


考察1:RED買収から2年、「ZR」が証明したこと

ニコンは2024年3月7日に米RED.com, LLCの子会社化を発表し、同年4月12日に完全子会社化を完了しました。買収額は約131億円と報じられています。

買収から1年半、その最初の目に見える成果が2025年9月10日に発表された「Nikon ZR」でした。フルサイズセンサー搭載で6K 59.94p、REDのカラーサイエンスに基づく「R3D NE」を初搭載しながら、質量は約630g、市場想定価格はボディ単体で299,200円(税込)。REDのシネマカメラが数百万円クラスであることを考えると、破壊的な価格設定でした。

そして実際、これは売れました。ニコンの2026年3月期決算短信には「映像事業においては、ニコン初のデジタルシネマカメラ『ZR』が販売を牽引しました」と明記されています。ミラーレス等のボディ販売台数は910,000台で、前期比プラス5.88%。台数シェアは12.9%でした。

つまり、RED買収は「絵に描いた餅」ではなく、きちんと製品と数字に結実したわけです。


考察2:それでも営業利益が59.5%減った、という現実

ところが、ここに難しさがあります。

同じ2026年3月期、ニコンの映像事業は売上収益2,900億53百万円(前期比1.8%減)、営業利益167億15百万円(前期比59.5%減)。営業利益率は前期の14%から5.8%へと大きく落ち込みました。会社全体でも、Nikon SLM Solutions関連の減損などにより、親会社株主に帰属する当期純損益は860億円の赤字。過去最大の赤字です。

決算短信が挙げた理由は明快で、「製品ミックスの変化」「競争環境の激化に伴うプロモーション費用の増加」「平均販売単価の下落」「関税影響」など。要するに、エントリー〜ミドル機はよく売れたが、単価が下がって儲からなかったということです。

この文脈で「高価でおしゃれなフルサイズコンパクト」の噂を読み直すと、意味が変わってきませんか。ニコンはいま、台数ではなく単価を上げる商品を、切実に必要としているのです。

なお、ニコンは2027年3月期の映像事業について、売上収益3,030億円・営業利益160億円を見込んでおり、研究開発費は225億円から245億円へ増額する計画。2030年度までにZマウントレンズを80本以上に拡大する方針も示しています。守りではなく、攻めの投資は続いています。


考察3:「幻のDL」という、10年前の宿題

1インチコンパクト復活説には、どうしても触れておきたい歴史があります。

2016年2月23日、ニコンは1インチセンサーを積んだプレミアムコンパクト「DLシリーズ」3機種(DL18-50 f/1.8-2.8、DL24-85 f/1.8-2.8、DL24-500 f/2.8-5.6)を発表しました。当時としては非常に意欲的なスペックで、ソニーRX100シリーズの牙城を崩しうる存在と期待されていました。

しかし発売は延期に。画像処理用ICの不具合が判明したためです。そして2017年2月13日、ニコンは発売中止を正式に発表しました。1台も市場に出ることなく、DLは”幻”になったのです。

あれから約10年。RICOH GR IVが20万円を超える時代になり、高級コンパクトの価格帯は大きく変わりました。ニコンにとって、いま再挑戦する環境はむしろ整っているとも言えます。同じ1インチで苦い記憶といえばNikon 1シリーズもありますが、だからこそ、ここでの再挑戦には見どころがあります。


本命はやはり「Z9II」、そして2027年

そして忘れてはいけないのが、Nikon Z9IIです。

Nikon Rumorsは「heavy RED integration(REDとの大幅な統合)」と表現し、登場は2027年と伝えています。当初は2026年という見方もありましたが、まさにこのRED統合こそが遅延の理由ではないか、というのが同サイトの見立てです。

同サイトは記事の最後をこう締めくくっています。「I was told that 2027 will be much better(2027年はずっと良くなると聞いている)」と。

2026年は、いわば助走の年。2027年に、Z9IIとフルサイズコンパクトという二枚看板で勝負に出る──そう考えると、今年の静けさにも納得がいきます。


直近のチェックポイントは「9月」

短期的に注目すべきは、やはり9月です。

APS-Cハイエンド機の噂が9月。そしてIBC 2026がアムステルダムで9月11日から14日に開催され、ここでNABで予告されたNIKKOR Zシネマレンズが発表される見込みです。

もし本当にこの2つが同月に来れば、ニコンの2026年後半は一気に景色が変わります。


よくある質問(FAQ)

Q1. これらの情報はどこまで信頼できますか? A. すべて噂・リーク情報であり、ニコンの公式発表ではありません。情報源のNikon Rumors自身が「発表時期は噂に基づく推測であり、遅延は起きると思う」と明記しています。決算数値やRED買収額など、本記事内の確定情報はニコンのIR資料・プレスリリースに基づいています。

Q2. 9月のAPS-C機は、結局D500の後継なのですか? A. 断定はできません。「45MP積層センサーのスチル向けDXフラッグシップ」説と「RED技術入りのミニZR」説が並存しており、どちらが正しいかで製品の性格は大きく変わります。

Q3. 名称は何になりそうですか? A. Z90、Z80、Z30II、Z500などが候補として挙がっていますが、確定情報はありません。

Q4. EVFレスのフルサイズ機は、Z5IIより安くなりますか? A. 不明です。EVFを省いてもコスト削減幅は限定的という指摘があり、価格設定は最大の焦点になりそうです。

Q5. 厚さ22〜25mmという噂は本当ですか? A. 疑問視されています。Zマウントのフランジバックが16mmあることを考えると、センサーやモニターの厚みを含めてこの数値は物理的に厳しいという見方が有力です。

Q6. Nikon ZRはどんなカメラでしたか? A. 2025年9月10日発表、ニコン初のデジタルシネマカメラです。フルサイズセンサーで6K 59.94p対応、REDのカラーサイエンスに基づく「R3D NE」を初搭載、質量約630g、想定価格はボディ単体299,200円(税込)でした。

Q7. ニコンはREDをいくらで買収したのですか? A. 2024年3月7日に子会社化を発表し、4月12日に完全子会社化を完了。買収額は約131億円と報じられています。

Q8. 2026年3月期のニコンの業績は? A. 連結売上収益6,771億円(前期比5.3%減)、親会社株主帰属の当期純損益は860億円の赤字。映像事業は売上収益2,900億53百万円(1.8%減)、営業利益167億15百万円(59.5%減)でした。

Q9. Z9IIはいつ出ますか? A. 2027年と噂されています。REDとの大幅な統合が遅延の要因と見られています。

Q10. レンズの新製品予定は? A. NIKKOR Z 120-300mm f/2.8 TC VR S(2026年後半・未確定)、廉価な広角レンズ、Vlog向け16-35mm級、NIKKOR Z 85mm f/1.4(2026年内は難しい可能性)、そしてIBC 2026で発表見込みのシネマレンズが挙がっています。


まとめ:静けさの正体は「仕込み」だった

2026年のニコンは、確かに静かでした。でもその裏側では、RED統合という重たい仕事が進み、決算という現実と向き合いながら、次の一手が組み立てられていたようです。

9月のAPS-C機、年末のEVFレス フルサイズ機、そして2027年のZ9IIとフルサイズコンパクト。この4つがどう着地するかで、ニコンの次の5年が決まると言っても大げさではないと思います。

続報が入り次第、また詳しくお届けしますね。


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