Nikon Zシリーズや、Canon EOS Rシリーズ、Panasonic LUMIX S1シリーズといったハイエンドモデルでは
CFexpress Type Bの採用が続いていて
Nikon Z9では連続撮影可能コマ数の条件として、名指しでCOBALT 1700R 325GBの名前があったり
EOS-1D X Mark IIIの連続撮影可能1,000枚の条件として、“325GBのCFexpressカード”と発表されたり
各メーカとフィードバック、開発も行われているとされCFexpress Type Bの中でも多くのメーカーの推奨となっていて
プロの間でも評判が良く、一際売れているProGrade DigitalのCFexpress Type Bを
当方も、Nikon Z9の購入を機に買ってみたので数ヶ月越しのレビューになります。
CFexpressが登場する前までは、CF(コンパクトフラッシュ)の後
XQDとCFastという2つの規格がありましたが
これらの規格では現在あたりまえの様に可能になってきた
8K RAW動画の撮影や、秒30コマなどといった超高速連写を実現することは
カメラ側ではできても書き込むことは実現できないといった記録速度が足りないという問題があり
CFexpressが登場しました。
COBALTは、高速なSLC採用
COBALTシリーズ
ProGrade DigitalのCFexpress Type Bの中でも
ハイグレードなCOBALTシリーズはSLC ( Single Lebel Cell )というNANDが採用され
耐久性が非常に高く長寿命で、P/Eサイクルは10万回と言われています。
また、非常に高速なものになります。
SLCを採用することで最初から最後まで速度が落ちなかったり
カメラで必要とされる速度よりもはるかに余裕のある高速性能になっているので
消費電力が少なく、発熱性も低いという特性があります。
ただ、通常はサーバーや産業用途に使用される様なものになりますので
高価なものになり、実際COBALTシリーズメモリーカードとしては非常に高価な部類に入ります。
- 最大転送速度:(読込)1700MB/s、(書込)1400MB/s
- 最低継続書込速度:1400MB/s
- 低消費電力で発熱性の低い設計
GOLDシリーズ
GOLDシリーズはTLC ( Triple Lebel Cell )というNANDが採用され
耐久性はあまりなく、P/Eサイクルは3,000回と言われています。
また、速度もSLC等に比べれば遅くなります。
ただ、容量を大きくでき安価に製造する事ができます。
TLCの場合、速度を上げようとすると消費電力も大きくなり
発熱も大きくなることが多いのですが
このProGrade DigitalのGOLDは消費電力の少ないコントローラーが使用されていて
速度は遅い分消費電力も低く、発熱性も低いという特性を持っています。
- 最大転送速度:(読込)1700MB/s、(書込)最大 1500MB/s
- 最低継続書込速度:400MB/s
- 低消費電力で発熱性の低い設計
カードリーダーもめちゃ大事
カードリーダーも最近は高価なものになってきていてここをケチる方も多くいると思います。
ケチりたくなる気持ちはよくわかりますが最近のカードリーダーは
大容量の精細なデーターを取り扱い運ぶ為に
高性能なコントローラーが積まれていたり
カードリーダーもそれなりに信頼性が求められてきています。
ProGrade Digital純正のカードリーダーが一番良いとされていますが
純正じゃなきゃダメということはなく、SDアソシエーションやCFA(Compact Flash Association)加盟企業(規格団体加盟企業)が製造しているカードリーダーであれば、規格に準拠し、必ず動作検証しているはずですから安全とされます。
ただ、8K RAW動画などがあたりまえの時代になり、以前に増してカメラ内のクイックフォーマットではできない、ディープフォーマット(サニタイズ)をして書き込み速度の低下を回避する作業が不可欠になるといわれていて、このデープフォーマットの際にPCで物理フォーマットしてもほぼ同じ効果が得られるとわれていますがProGrade DigitalがリリースしているRefresh Proとあわせて純正のカードリーダーには鍵を持たせていて、安全にメモリーカードをデープフォーマットできるという仕組みがあるそうなので
やはり純正のカードリーダーが一番良いという結論に達するのかなと思います。
取り扱いに関して
CFexpress Type Bカードに使われるフレッシュメモリーは簡単そうに見えて
非常に複雑な技術が使われています。なので取り扱う上で意外と知られていないのが
「 できるだけカメラで画像を消去しないこと 」が推奨されています。
カメラは写真や動画を記録することには関しては優れていますが
ファイルを削除するという事が実は苦手というか、PCの様にデーターを管理することに不向きだと言われています。
単に消すという作業も実は複雑なファイル・データ管理になりパソコンのように得意ではありません。
フラッシュメモリーの中のデータの整合性を複雑にしないため
ひいては寿命を延ばす為にはPCでの操作が推奨されています。
また、カードの取り出しに関しても
必ずカメラの電源を切ってアクセスランプが消えてからカードを抜くことがとても大事になります。
撮影していない時でも、カードはカメラと通信をしています。
電源オンの場合に無理やり抜くと様々な処理が終わらず、これもカードの整合性に不都合が生じる場合があります。
CFexpress Type Bはとても複雑な技術が用いられていて、操作は丁寧かつシンプルな操作がベストです。
また、COBALTなど高いものをとりあえず買っておけばもう大丈夫ということもなく
速度は使えば落ちていくし寿命は間違いなくきます。
フラッシュメモリーは特製としてデータの上書きができないので
どのフラッシュメモリーも使ううちにセルにデータが溜まっていっていき
所謂、「 汚れたカード 」になります。
この残存データを消去する作業は自動で行われますが、この処理によって、書き込み速度の低下が生じます。
なので定期的な物理フォーマットも必要になってきます。
ProGrade Digitalには「 Refresh Pro 」というメンテナンスソフトがあり
「R」ロゴのついたプログレードデジタル製メモリーカードでProGrade Digitalのメモリーカードリーダーがであれば利用でき、カードの健康状態の監視とリフレッシュによる最高性能の発揮という管理が可能になります。
「 Refresh Pro 」自体は現在で第2世代になり、Mac OS Catalina以降、Apple M1プロセッサにも対応し、同時にユーザーインターフェイスの改良、複数のカードの同時設定ができるようになりました。
6ヶ月無料で使えるトライアルバージョンもあるので、カードの記録が遅いなど調子が悪い場合などはもちろん、一度使ってみるのもアリなんじゃないかと思います。
Check your memory card's health and refresh its performance …
使ってみた感想としては、やっぱり何の問題も不便もない。これがこのカードの素晴らしさを物語っているのかなと思います。
Z9で使う分には、連写速度、バッファは容量いっぱい無限といってもいい。
ProGrade Digitalという信頼感と安心感は高いと感じます。
プログレードデジタルは、高速メモリーカード、高速カードリーダー、メモリーカードメインテナンスソフトウェアなどバライティ溢…
画像引用:ProGrade Digital