EOS R8 Mark II 正式発表

【えっ、キヤノンが四角くなった?】EOS R8 Mark II 正式発表|手ブレ補正7.5段+275,000円で「初フルサイズの正解」が変わります

結論:キヤノンの「軽いフルサイズ」が、ついに完成形に近づきました

2026年9月16日、キヤノンがフルサイズミラーレスカメラ「EOS R8 Mark II」を正式に発表しました。発売日は2026年10月29日、予約開始は9月18日(金)午前10時からです。

いきなり結論からお伝えすると、今回のニュースの意味はとてもシンプルです。「初代EOS R8で我慢していた2つの弱点が、まとめて解決した」ということ。その2つとは、ボディ内手ブレ補正がなかったこと、そしてAF位置を素早く動かすジョイスティックがなかったことです。

しかも価格は、キヤノンオンラインショップでボディ単体275,000円(税込)。手ブレ補正を内蔵したキヤノンのフルサイズミラーレスとしては、これが最も安く、最も軽い1台になります。「フルサイズは重くて高い」というイメージを持っていた方には、かなり気になる発表だと思います。


価格と発売日をまとめて確認しましょう

まずはお財布に直結する情報から整理します。

構成キヤノンオンラインショップ価格(税込)海外参考価格
EOS R8 Mark II ボディ単体275,000円1,899ドル
RF24-105mm F4-7.1 IS STM レンズキット324,500円2,099ドル
RF45mm F1.2 STM レンズキット317,900円
発売日2026年10月29日2026年10月下旬
予約開始2026年9月18日 10:00

ポイントは、この275,000円という数字が「メーカー直販の定価的な位置づけ」だということです。初代EOS R8は直販価格264,000円でスタートし、その後の実売は210,000円台まで下がりました。同じ傾向をたどるなら、店頭では240,000円前後で落ち着く可能性も指摘されています。急がない方は、発売直後の価格推移を見てから判断するのも賢い選択です。

なお、キヤノンは初代EOS R8を併売する方針とされています。「手ブレ補正はいらないから、とにかく安く軽く」という方の選択肢も残る形です。


注目ポイント1:手ブレ補正7.5段が、撮れる時間帯を広げます

今回の主役は、新搭載されたボディ内5軸手ブレ補正です。レンズ側の光学式手ブレ補正と協調制御することで、中央で最大7.5段、周辺で最大7.0段という補正効果を発揮します(CIPA2024規格準拠、RF24-105mm F2.8 L IS USM Z使用時)。

「7.5段」と言われてもピンとこないかもしれません。ざっくりした感覚で言えば、これまで手持ちでは厳しかったシャッター速度でも、ブレずに止められるようになる、ということです。夕暮れの街並み、照明を落としたカフェの店内、キャンドルだけの誕生日。そういった「今までスマホの夜景モードに頼っていた場面」を、フルサイズの画質で残せるようになります。

さらにキヤノンは、画面の中心だけでなく周辺部のブレも抑える「周辺協調制御」に対応させました。広角レンズで撮ったときに、四隅だけ流れてしまう現象を抑える技術で、風景やスナップで効いてくる部分です。

ここで注意しておきたいのは、手ブレ補正は「カメラの揺れ」を止める技術であって、「動いている被写体のブレ」は止められないという点です。走り回るお子さんやペットを止めたいときは、やはりシャッター速度を上げる必要があります。


注目ポイント2:デザインが、キヤノンらしくない。だから面白い

写真を見て「これ、本当にキヤノン?」と思った方は多いはずです。キヤノン公式は、従来のEOSシリーズの曲面基調デザインを刷新し、直線と円弧を軸としたシンプルでモダンなデザインを採用したと説明しています。

海外メディアの取材では、キヤノンが1980年代のフィルム一眼レフ「T80」からデザインの着想を得たと説明したと報じられています。また、公式の広報素材では1987年の「EOS 650」と並べたカットも公開されました。つまりこれは、単なる見た目の変更ではなく、自社の歴史をたどり直したうえでの意図的な転換だということです。

ここは考察を1つ加えておきたいところです。ここ数年のカメラ市場では、ニコンZf、富士フイルムX-T5、OMデジタルのPENシリーズなど、クラシックな外観を持つモデルが強く支持されてきました。キヤノンはこの流れに対して長く距離を置いていましたが、今回ついに「平面基調」という形で一歩を踏み出しました。この直線デザインが今後のEOSシリーズ全体に広がるのかどうか。それが、このニュースのもう1つの見どころです。

ちなみに賛否は確実に分かれるでしょう。海外レビューでも「初代ソニーα7に似ている」という声がある一方、「小さくミニマルにまとまっていて好ましい」という評価も出ています。ここは実機に触ってから判断するのが一番です。


注目ポイント3:AFと連写は、上位機の技術がしっかり降りてきました

地味ですが、実用面で一番うれしいのはここかもしれません。

背面にマルチコントローラー(AFジョイスティック)が追加されました。初代R8ではタッチパネルか十字キーでAF位置を動かすしかなく、ファインダーをのぞきながらの素早い操作が苦手でした。この1点だけでも、撮影テンポは大きく変わります。

AFは「デュアルピクセルCMOS AF II」を搭載。測距輝度範囲はEV-7.5まで対応し、最大1053分割のエリアで被写体を追います。被写体検出は人物、動物(犬・猫・鳥・馬)、乗り物(モータースポーツ・鉄道・飛行機)に対応。

そして注目したいのが「登録人物優先」です。あらかじめ顔を登録しておくと、その人を優先して検出・追尾してくれる機能で、キヤノンはフラッグシップ機「EOS R3」と同等の性能と説明しています。カメラ内に最大10名、カードに最大10ファイル保存することで最大100名まで登録可能です。運動会や発表会で、大勢のなかから自分の子どもだけを追ってくれる。これは価格帯を超えた装備です。

連写は電子シャッターで最高約40コマ/秒(AF/AE追従)、高速連続撮影で約20コマ/秒、電子先幕で約6.0コマ/秒。さらに、シャッター半押し中の瞬間をさかのぼって記録するプリ連続撮影にも対応します。海外レビューの実測では、RAW+JPEGで約78枚、JPEGのみで約175枚まで連続撮影できたと報告されており、初代よりRAWで約30%、JPEGで約58%粘るようになりました。


動画性能:4K60pクロップなし、フィルム調カラーも追加

動画機能は初代の強さを引き継ぎつつ、使いやすさが底上げされました。

6Kオーバーサンプリングによるクロップなしの4K60p記録に対応し、FHDでは最大180fpsのハイフレームレート撮影が可能です。記録形式はXF-HEVC S 4:2:2 10bit(最大225Mbps)まで、Canon Log 3にも対応するため、本格的なカラーグレーディングも視野に入ります。

さらに面白いのが、静止画・動画の両方で使える「カラーフィルター」機能の拡充です。フィルムの色味を再現するNegativeFilmtonePositiveFilmtoneが追加され、全16種類に。効果量は11段階で調整できます。手持ち夜景モードでも5種類の色調から選べるようになり、「編集しないでそのまま出せる絵」が増えました。SNSや動画投稿を前提に撮る方にとっては、時間短縮に直結する機能です。


初代EOS R8との違いを、表で一気に比較

項目EOS R8(2023年4月)EOS R8 Mark II(2026年10月)
有効画素数約2420万画素約2420万画素
映像エンジンDIGIC XDIGIC X
ボディ内手ブレ補正非搭載5軸/中央7.5段・周辺7.0段
AFジョイスティックなしマルチコントローラー搭載
AFデュアルピクセルCMOS AF II同(アルゴリズム改善+登録人物優先)
連写(電子)最高約40コマ/秒最高約40コマ/秒(バッファ増)
連続撮影枚数RAW約73枚(公称)
動画4K60p(6Kオーバーサンプリング)同+Slow&Fast、WB強化、フォーカス送り機能
カラーフィルター全16種(フィルム調2種追加)
ファインダー0.39型 約236万ドット 0.70倍
モニター3.0型 バリアングル3.0型 約162万ドット バリアングル
メモリーカードSD UHS-II(電池室内)SD UHS-II(グリップ側面に移設)
バッテリーLP-E17LP-E17(据え置き)
大きさ約132.5×86.1×70.0mm約131.4×90.0×79.7mm
重量(電池込)約461g約546g
直販価格264,000円275,000円

正直に伝えたい、3つの注意点

良いニュースばかりではありません。購入を検討するなら、ここは押さえておきたいところです。

1つ目は、バッテリーです。 バッテリーは初代と同じLP-E17のまま。CIPA基準の撮影可能枚数は、ファインダー使用時で約150枚、省電力モードで約220枚、モニター使用時で約270枚、省電力で約340枚とされています。手ブレ補正が加わったぶん、消費はむしろ増える方向です。予備バッテリーか、USB PD対応のモバイルバッテリーは実質必須と考えたほうが安心です。

2つ目は、メカニカルシャッターがないことです。 本機は電子先幕と電子シャッターのみの構成です。電子先幕時のシャッター速度は最高1/4000秒、フラッシュ同調は1/200秒。日中の明るい場所で大口径レンズを開放で使いたい場合は、NDフィルターが必要になる場面も出てきます。ローリングシャッター歪みは良好に抑えられているとの評価ですが、この構成は理解しておきたい点です。

3つ目は、レンズの選択肢です。 RFマウントはサードパーティ製AFレンズの選択肢が限られており、海外レビューでもここが弱点として指摘されています。ボディが安くても、使いたい焦点距離のレンズが高い、あるいは存在しない、という状況は起こり得ます。ボディよりも先に「どのレンズで撮りたいか」を確認するのが、後悔しないコツです。


競合はどこ? この秋のエントリーフルサイズは混戦です

275,000円という価格設定は、ニコンZ5IIとほぼ正面衝突する水準です。Z5IIは実売で230,000円前後、ソニーはα7 IVとα7C IIで上下を挟む形。つまり、「初めてのフルサイズ」市場が、いま最も選びにくく、最も買い手に有利な状況になっているということです。

大まかな性格の違いを整理すると、EOS R8 Mark IIは軽さ・AFの賢さ・動画の色表現、Z5IIはバッファとファインダーの見やすさ、ソニー機はバッテリー持ちとレンズの選択肢の広さ、という棲み分けになります。キヤノンのRFレンズをすでに持っている方、あるいはEFレンズをアダプターで活かしたい方には、今回のR8 Mark IIは有力な1台です。


誰にとってのニュースか、まとめます

スマホからのステップアップを考えている方には、「フルサイズで手ブレ補正つき」の入口が下がったという意味で朗報です。旅行やお子さんの撮影で軽さを重視する方には、546gという数字が効いてきます。写真と動画を1台でこなしたいクリエイターには、4K60pとCanon Log 3、そしてフィルム調カラーが効きます。そして初代R8ユーザーには、「手ブレ補正とジョイスティックに、約11,000円の価格差+85gの重量増を払うか」という判断が生まれます。


よくある質問(FAQ)

Q1. EOS R8 Mark IIの発売日と予約開始はいつですか? 発売日は2026年10月29日、予約開始は2026年9月18日(金)午前10時からです。

Q2. 価格はいくらですか? キヤノンオンラインショップ価格で、ボディ単体275,000円、RF24-105mm F4-7.1 IS STMキット324,500円、RF45mm F1.2 STMキット317,900円(すべて税込)です。希望小売価格はオープン価格のため、店頭価格は変動します。

Q3. 初代EOS R8から買い替える価値はありますか? ボディ内手ブレ補正とAFジョイスティックが必要かどうかが判断軸になります。暗い場所での手持ち撮影や動画が多い方、AF位置を素早く動かしたい方には価値があります。逆に明るい場所での撮影が中心で、レンズ側の手ブレ補正で足りているなら、初代のままでも十分です。

Q4. 手ブレ補正は7.5段と言いますが、動く被写体にも効きますか? 効きません。手ブレ補正はカメラ側の揺れを抑える技術です。動く被写体を止めるには、シャッター速度を上げる必要があります。

Q5. メカニカルシャッターは搭載されていますか? 搭載されていません。電子先幕(最高1/4000秒)と電子シャッター(最高1/16000秒)のみの構成です。

Q6. バッテリーはどのくらい持ちますか? CIPA基準でファインダー使用時約150枚、省電力モードで約220枚、モニター使用時約270枚、省電力で約340枚です。実使用では公称値を上回ることが多いものの、予備バッテリーの用意をおすすめします。

Q7. メモリーカードはダブルスロットですか? シングルスロットです。SD UHS-II対応で、初代では電池室内にあったスロットがグリップ側面に移設され、三脚使用時でも交換しやすくなりました。

Q8. 動画の記録時間や熱停止は心配ないでしょうか? 高い剛性と放熱性を持つマグネシウム合金シャーシを採用しており、放熱には配慮されています。ただし4K60pなど高負荷設定での連続記録時間は撮影環境に左右されるため、長時間収録が前提なら発売後の実機検証を確認してから判断するのが安全です。

Q9. 初代EOS R8は販売終了になりますか? キヤノンは初代EOS R8を併売する方針とされています。より安価な選択肢として残る見込みですが、在庫状況は流通次第です。

Q10. 小型ボディで大きなレンズを使うと持ちにくくないですか? 別売りのエクステンショングリップ「EG-E2」を装着することで、大型レンズ使用時のホールド性を向上できます。手の大きな方は同時購入を検討する価値があります。


おわりに

EOS R8 Mark IIは、スペックの数字だけを見れば「手ブレ補正が付いた初代R8」です。しかし歴史の流れで見ると、2019年のEOS RPから始まったキヤノンの「軽いフルサイズ」路線が、7年をかけてようやく妥協点をなくした到達点だと言えます。そこにデザインの大転換が重なったことで、この1台は単なるマイナーチェンジを超えた意味を持ちました。

まずは10月29日の発売後、実機のバッテリー挙動と店頭価格の落ち着き先を見極めること。これが、いま一番賢い向き合い方だと思います。

【映像制作技術提供】 CREATIVE HOUSE ( https://creative-house.jp/ )